おまえか、もう学校には慣れたようだな。
……生徒が高校生活を謳歌するのは嬉しいはずなのに、少し寂しい気もするな。
おまえをエスコート出来るのは俺だけだと思っていたが、どうやらそうも言ってられないらしい。
丁度時間もある、目的地まで連れて行こう。
でないと、俺が心配なんだ。
うかうかしていると、さらわれてしまいそうだからな。
よっ、どーしたんだ? そんなとこで。
まさか、彼氏と待ち合わせ……なワケねぇか。
だよな、はぁ、良かっ……いや、なんでもねぇよ!
もし暇なんだったら、付き合ってやるけど。
このままじゃ悠人に捕まっちまうし、それならおまえと居る方が楽しいし。
べ、別に深い意味はないって! ホラ、行くぞっ!!
見ーつけたっ!
ふふ、そろそろきみが来るんじゃないかなーって、待ってたんだ。
ボクに会えて、きみも嬉しい?
それとも、イタズラされちゃうと思ってる?
そう不安になんないでよ、今はしないからさ。
うん、今は、ね!
ってことで、レッツゴー!
ふぅん、帰るの?
ちょっと早すぎない? のんびりすればイイのに。
ククッ、オレの時間はこれからなんだけどなァ?
引き止めたい所だけど、キミを危険な目に遭わせるワケにもいかないしね。
送ってあげるよ。それくらい、イイデショ?
そのかわり、明日は迎えに来てよね。
じゃないとオレ、サボっちゃうかもよ?
もうそんな時間でしたか。
あなたと居ると、時間が流れる水のように早く感じます。
止めることは叶わないけれど、今は早く過ぎ去るほうが良いのかもしれません。
そうすれば、教師として振る舞わなくなるときも近くなると……。
それはそれで、寂しいものがありますけれど。
これだけ日が暮れれば、口実になるかもしれませんね。
あなたを送らせてください。担任としてではなく……ね。
- end -
2010-10-02
別館にPCで訪れると、サイトの上下にランダムでメッセージが出るようにしてました。結局全員分は作れなかったなー……。
clap
浅野 悠希